目的地
私はある日、友達と遊んでいて
こんな事を言われた。
「ここにさ〜、【5分→】っていう看板があるんだけど店が見つけられないんだよね〜?」
ふと見ると、道路の左の方にその看板は見えた。
まあ、たまに道路を走っているとある、いわゆる「ラブホテル」の看板だった。
確かに私の記憶でも、5分くらい走って行ってもそんなラブホはなかったように思う。
それでは、潰れてしまったが、看板だけが残っているというオチか?
でも、それにしては看板が立派すぎる。
どう見たって、ここ2〜3年で立てられた物にしか見えない。
その時はそんなに気にならなかった。
「まあ、どっかにあるんじゃん?」
くらいだった。
数日後・・・
朝起きたが、やることがない・・・・
そうだ!やることがないなら、この間のラブホを調べよう!
と思い立ったら吉日!
ということで、それしかすることがないにもかかわらず車を走らせた。
しかも、現在彼女がいない私にとって、ラブホを使う機会あるの?と言われると
現在私がしている行動は、今後の人生に少しでもプラスになるのかと言う疑問は拭いきれないが、
「聞くのは一瞬の恥、知らぬは一生の恥」
ということで、知らないよりは知っていた方が良いという結論に自分の中で達したため、調査を続行することとした。
車を走らせること25分
目的の看板に到着した。
すかさず、車のトリップメーターをリセットすると、
(トリップメーターとは、任意のA点からB点までの区間距離を計測出来るメーターのこと)
その道の制限速度に従って運転した。
ちなみに40キロ制限のどこにでもある普通の道路である。
その前に、少し考えて頂きたいのは、40キロ制限の道路に【→5分】という看板があれば、
当然40キロで5分間走行したところに、ラブホテルがある。ということになる。
つまり、5分は時間単位に直すと、60分の5であるので、
40×60分の5=3.333333(以下3の連続)
となる。よって約3.33キロ走行したところに目的のラブホテルはある。
ということになるのは、高卒の私でも容易に計算できるくらい簡単で皆さんも十分理解できることを願う・・・
が、しかしだ!
多少余裕をもって、4キロ走ったが、ラブホテルはないのである!
騙されたのか?
とも思ったが、何の得にもならない物のために、そんな嘘看板を立てるとも思えないし、
誰かが引っかかったとしても、立てた人は引っかかった事にすら気付かないであろう・・・
最近訳のわからない人が増えているが、いくら何でもそんなショートドッキリを仕掛ける人っていないよ・・・(たぶん)
まして、本当に5分で行けるのかなんて調べるのは私ぐらい・・・
そんな、くじけそうになる自分を何とか立て直しながらも、私は走り続けた。
そして、私はそのラブホを発見することが出来た。
トリップメーターを見る・・・・
5.9km
つまりだ・・・・
5.9キロの距離を5分で到着するには、
5.9÷60分の5=70.8
つまり、平均時速70.8キロで走行しなければ、看板からラブホに5分で到着することは出来ない。
ここで、「出さなければならない速度−制限速度」を計算してみた。
70.8−40=30.8
免停になりますよ?
免停になってもHしたい時って、どんな時ですか?
私も生物学上の♂であるので、
動物園のゴリラ並のセキュリティーが必要なんじゃないか?
くらいの気分になることが、ある日突然訪れる事がないわけではないが、
女の子を横に乗せてラブホに向かうときって、
そんなに飛ばさなくても良い場面だと思うのって私だけでしょうか?
女の子だって、彼氏の車に乗っていて、いい雰囲気になったとき
彼女 「ねぇ?私の事・・・好き?」
彼氏 「・・もちろんだよ」
彼女 「どのくらい?」
彼氏は、彼女の顔を見つめると静かにキスをした・・・
彼氏 「Hしようか・・・?」
彼女 「・・・・・・」
彼女は何も言わず、小さく頷いた・・・・。
なんて超いい雰囲気の後、彼氏がものすごいスピードでラブホに車を走らせたら、
今までの雰囲気台無し
な訳で、この看板は早く正しい位置というか、40キロで5分走ったところに移動するべきであると切実に思う。
もちろん、号泣無惨の善良な読者の皆さんは、免停覚悟でラブホに向かうことはないとは思いますが、
常に安全運転でお願いします。(ラブホに向かう時を除く?)
(-_-;)