課長録
〜K課長編〜
居酒屋に行くと、
「うちの課長はよ〜!」
だとか、
「問題は課長なんだよな〜」
とか、
「課長が言ってるなら・・・」
なんて会話は、日常茶飯事繰り返され、
居酒屋に行けばたいがい耳にする会話である。
どこの会社に言っても、課長が話題となる会話は
良くも悪くも必ず一つくらいはあるのではないだろうか?
今回紹介するのは、私の親友である、M氏の会社の課長である。
まあ、あまり大きい声では言えませんが、
サイゼ○アでミトコンドリアを注文する
凄腕の課長と同一人物なんて偶然は
世界広しと言えども、全くないわけではない・・・
まあ、会社での仕事が終了して、
課長 「おう!今日一杯どうだ!?」
なんて言われたら、
断りたい気持ちをグッとこらえて、いやな顔一つせずに
「いいですね!行きますか!」
と笑顔で答えるのが社会人というもので、
課長行きつけの店で
課長 「まあ、今日は楽しく飲みましょう」
なんて小学生でも考えつきそうな挨拶をされたところで
状況は何も変わらず、
「課長とりあえずビール一杯いかがですか?」
とお酒をすすめ、
「いい店ですね〜!」
なんて課長の機嫌をとりながら飲んだって
楽しいわけないじゃないですか!!!!!
まあ、そんなこんなで、約2時間くらいの課長のみが楽しい飲み会は、
終電の時間も迫ってきた事もあり、無事終了。
一人だけ上機嫌でお酒を飲んだ課長は、文字通りの「酔っぱらい」で
「課長!大丈夫ですか!?」
なんて一応聞いてみると、
課長 「俺はな!おまえとは違うんだよ!」
と言い放つと、駅のホームに消えていった。
簡単に課長の家と私の家の関係を説明すると、
A駅―――B駅―――C駅――――――――――――D駅
飲み会会場はB駅、
課長の家はC駅、
私の家はB駅
電車はA駅→D駅→A駅の様に折り返し運転でその日の運行を終了する。
つまり、
私はB駅から徒歩で無事家に着いたわけだが、
課長が駅のホームに着いてから約1時間・・・・・
私の携帯がなった・・・・
トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル、ガチャ!
私 「課長!どうしたんですか?」
課長 「俺な〜!戻ってきちゃったよ!」
私 「・・・・今どこにいるんですか?」
課長 「ん?聞きたいか?・・・A駅」
課長 「おい!迎えに来い!おまえのうち近くだろ!ガチャ!ツー、ツー、ツー、ツー・・・」
なんて電話が入った日には、厄年でもないのに厄払いを今この場で受けたくなるような気分になる人も
中にはいるかもしれない。
とりあえず酒を飲んでいるので車が運転できないので
妻を起こし、A駅まで向かう。
酒臭いという理由で窓全開にされるわけだが、
後信号2つというところで赤信号で停車すると、
どう聞いても駅の方から怒鳴り声が聞こえる・・・・
妻 「酔っぱらいって嫌ね!」
青信号に変わったのを確認し車は発進した。
まあ、単純な話だが、音というのは、近くに行けば行くほど、より鮮明に聞こえるもので、
駅に近づくにつれ、怒鳴り声は日頃良く聞く、聞き覚えのある声に聞こえ始める。
しかも酔っているとは言え、この声の持ち主は私のよく知る人物!
そう!課長である。
駅へと曲がる、最後のカーブを曲がると、
信じたくはないが、怒鳴り声を出している人物と課長が同一人物であることを、
視覚と聴覚で確認できるわけで、
課長に会った事のない妻が、
妻 「どの人が課長?」
という質問に対し、
私 「一番目立つ人」
という答えで、妻は、どの人が課長であるかを十分理解できるのである。
渋々、課長の元へ行くと、
課長は、どうやらケンカしているらしい・・・・・
電柱相手に
ケンカの原因は、
電柱に貼ってある政治家のポスターの顔がいけ好かなかったらしく、
課長 「ボーナスいくら貰ってるんだ!?んっ!????」
などと、私がA駅に着くまでずっとケンカしていたらしい。
課長を車に乗せた後も、
課長 「あんなやつが偉いなんて日本はどうかしてる!」
などと納得が行かないらしく、
車の中はもちろん、寝付くまでずっと文句を言っていたのである。
皆さん、顔の好みは人によって好き嫌いはあって当然だと私は思うが、
電柱に貼ってあるポスター相手にケンカする必要性が、どこにあるのでしょうか?
当サイトの善良な読者の皆さんは、間違っても電柱相手にケンカしないでくださいね・・・