こだわり

 

 

 

 

 

 

 

友人が引っ越した。

今まで借りてた部屋は狭くなり、

転勤をきっかけに引っ越した。

 

 

当然私の友達も金がないのは私と一緒、

そんな高いアパートに引っ越せる訳がない。

 

そんな友達がセレクトしたアパートは、

 

「骨折コーポ」

※ 一部編集してありますが、その辺にある普通のアパートです。

 

引っ越しを手伝ってくれと言われ、渋々彼のアパートへ。

 

今まで住んでいたアパートから荷物を出して私の車と友達の車に積み込む。

 

 

私達は彼の新居「骨折コーポ」に向かった。

 

 

着いた。

大家さんと思われる男の人が出迎えてくれた。

 

「いらっしゃい。骨折コーポにようこそ!」

 

私は思った、普通の出迎えのように感じる挨拶だが、

 

どう考えても「骨折コーポ」を強調している。

 

まあ、気のせいだろうと思い、引っ越しに取りかかる。

彼の部屋は3階

 

「あ〜3階までこの荷物を運ぶのか〜・・・」

なんて思いながら骨折コーポの3階を見上げる。

 

その時

 

建物の3階付近に「骨折コーポ」と書いてあるのだが、

 

何かおかしい・・・・

 

あきらかに、コーポの下に何かを消したような跡があるのだ。

 

 

よく見る・・・・

 

 

荘?

 

 

なんとこの建物、もともと「骨折荘」というなんとも古めかしい名前が付いていたのだが、

入居者が少ないため、

「骨折コーポ」

に改名されたらしい。

 

 

建物同じなんだから、変わらないじゃん?

と思うのだが、ちょっと入居率が上がったらしい・・・

(大家さん談)

 

ちなみに、大家さんの前で骨折荘というと、すかさず

「この骨折コーポは・・」

という風に直されます。

 

大家さんは、大変「コーポ」にこだわりを持っているらしいです。

 

だから何だって事ないんだけど・・・・

 

大家さんの中では、

「荘」を現代語訳すると「コーポ」になるらしいです。

 

 

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